先週の公認カヌーコーチの実技講習において、カヌースプリントジュニア強化委員会委員長の尾野藤さんより、カヤックのフォームを教わってまいりました。 体を回転において、上肢(肩のひねりと腕の引き)から回転させる場合と下肢(骨盤のひねりと足の踏み込み)にて回転させる場合で、パドルに加わる力(水中であれば推進力)に差が生じるとのことです。 この動画をさらにわかりやすくするために、上肢始動と下肢始動でパドルや体の動きにどのような差が出ているか、連続合成写真で紹介します。
【上肢始動】 パドルの支点を固定し前に推進した想定の連続合成写真と、体を固定してパドルの動きを表した連続合成写真です。 動きをわかりやすくするために、手首の動きに線を加えます。 すると、上肢始動の場合、押し手が上に抜けてしまい、また引き手も並行してキャッチ位置からそのまま後ろに引く動作になります。一見すると引き手が後ろに下がっているので問題ないように思えますが、水の抵抗に対し瞬間的な強い力が出ません。 動画や写真のとおり、パドルを手で押さえてみるとわかるのですが、上肢始動の場合、力が抜けてしまったような感じがします。
【下肢始動】 今度は下肢始動の場合の連続合成写真です。 同じく手首の動きに合わせて線を入れます。 すると、押し手は上に抜けずしっかり前に押し出されています。また、引き手は水に刺さりながら後ろに引けています。この動きにより上肢始動と比べると引き手の動きに大きな違いが生じます。体の回転力を活かした、水の抵抗に負けない漕ぎとなります。 実際にパドルを押さえて力の動きや強さを確認しても、水中にて下向きに働く力の強さというよりも、後ろへ引く(推進力)力の強さを感じることができます。 ここまでの解説を踏まえて動画をみると、より理解がしやすいと思います。 このような漕ぎ方にする練習方法は改めてご紹介しますが、まずはより強い推進力が得られる下肢始動のイメージを持つようにしてください。